2012年2月12日日曜日

わたすの好きな漫画1



最近岡崎京子が熱すぎる。楳図かずお先生の洗礼を元ネタにした漫画ということで、岡崎京子先生の「ヘルタースケルター」を読んでから、岡崎京子ワールドにどっぷりつかってしまった。

まだ数える程しか読んでいないけれど、読んだあと世界がぐっと変わるからちょっと怖い。

最近読んだ岡崎京子の作品で一番後を引いた作品がリバースエッジなんだがこりゃもう本当にやられた!

キャラクター一人一人に感情移入して一気に落とされる感じ。

リバースエッジは、高校生たちを描いていて、それがとてもリアルだ。一人一人のキャラが強い強い。

学校で集団によるゲイの山田くんへのいじめとか、援助交際とか、山田くんをゲイと知らずにノーマルだと思って付き合っている女の子とか、太らないように過食嘔吐をくり返すモデル吉川こずえとか、好きじゃないのに付き合ってる主人公とか…そしてハルナとこずえと山田くんの3人だけが学校裏の大きな空き地の草むらに白骨死体があることを知っている。


登場人物の悩みだとか葛藤が普通に流れていく感じが怖い。ふっつうに流れてくもん。自然に。


主人公ハルナは観音崎と好きでないのに付き合っている。観音崎はハルナの親友と肉体関係があって、その親友は父親の分からない子供を宿して、父親と言われた観音崎は錯乱状態におちいってその親友を殺しかけて、その錯乱状態を抑えるためにハルナは観音崎の強姦を受け入れる・・・・
「好きだとか嫌いだとか愛とか恋じゃなく感情とかごめんなさいとかそういう気持ちからだと思う。でもそのことをあたしが言葉できちんと表現できればセックスしなくて済んだのだろうか。」
っていうハルナの言葉でハルナがすごく好きになった。




表面的な学校生活のようで一人一人が深いものを抱えていて、それが表に出ないように皆努力してる。
最後の方のモノローグで「あたし達は何かを隠すためにおしゃべりしてた。ずっと何かを言わなくて済ますために永遠と放課後おしゃべりをしていたのだ。」とあってちょっと切なかった。


なんでこんなにせつないんだろう。せつない!でもすき!一人一人のキャラクターがすっごく愛おしくなる!



ちなみにこのモデルの吉川こずえはヘルタースケルターにも出ていて、ヘルタースケルターでは完璧なモデルとしていて分からなかった過食嘔吐に苦しむ別の顔が見れる。
ヘルタースケルターと一緒に読むとおもしろいかも。

乱文になっちゃったけど、とにかくもうとってもおもしろい!ファンになるの遅かった!
とってもすてきな漫画でした。